補助金

【小規模事業者持続化補助金】不採択になってしまったら

こんにちは。
埼玉県の中小企業診断士の関野です。

個人事業主や小規模事業者に使いやすい小規模事業者持続化補助金、申請したのに不採択通知が来てしまった!というあなたに、今後の対応と対策をお伝えしようと思います。

不採択になると、通知が来ます。

残念ながら不採択なった場合は、jGrants事務局より連絡先になっているメールアドレスに「不採択通知済み」という案内が来ます。

メールの本文に詳細が確認できるURLが記載されているのでそこをクリックしてjGrantsにログインすると内容を見ることが出来ます。

↑こんな感じです。
詳細といっても正式文書で「不採択です」と言われているだけで、なぜ不採択になったかなどは書いてありません。

事務局に電話したら教えてくれる?

なぜ不採択になったか知りたいですよね?
事務局のコールセンターに問い合わせると教えてくれるのかというと、教えてはもらえません。正確にはコールセンターの方はわからないようです。(でもすごく丁寧に対応してくれます。)

書類の不備で不採択になっている場合は不採択通知に「書類不備により」と記載があるとの事でした。その文言がない場合は書類は正しく用意されていたけれど、別の原因で不採択になっていると思って良いかと思います。

このような結果になってしまった事はとても残念ですし、せっかく頑張って申請したのに悲しい気持ちでいっぱいだと思います。


もうダメなんだ・・・で諦める必要はなく、なぜ不採択になってしまったかはわからなくても対策を取ることは可能です。

不採択になった理由を考えてみる

それではなぜ不採択になってしまったのでしょうか?
不採択になる理由は大きく言うとこの4つの可能性が高いです。

・書類の不備
・要件が合っていない
・加点要素が少なく優先順位が低い
・経営計画書の記述不足

それぞれについて考えてみます。

理由1.書類の不備について

これは事務局のHPにも記載がありますが、添付する書類が違ってしまったり、不足している場合です。
事務局HPによると、よくある不備内容は下記の5つのようです。

・添付書類にパスワードが設定されている
・ファイルが開けない(破損している)
・ファイルが見切れている、ぼやけて見えない(読み取れない)
・添付している書類が間違っている(取り違えている)
・添付し忘れている

入力後、申請ボタンを押す前にしっかりチェックしてみましょう。

理由2.要件が合っていない

公募要領に書かれている応募条件や対象事業者に合致していない場合です。
もしくは補助対象外の経費を申請している場合です。

補助金は給付金などと違い、書類を用意すればもらえるものではありません。必ず要件があります。

この補助金でしたら、「小規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組を支援するもの」になっていなければなりませんし、応募できる事業者は「個人事業主を含む小規模事業者」であることです。

また、補助対象外となっている経費を申請していないかも確認しましょう。
HPやチラシの広報費などは今までの事業についての広告宣伝での経費は認められていません。
PCなど汎用性のある経費も対象外です。

理由3.加点要素が少なく優先順位が低い

通常の書面審査に加えて一定の条件の事業者は、必要な書類を用意することで加点してもらえます。
採択は審査の点数の大きい事業者から予算に応じて決定されますので、加点項目がある場合は忘れず提出しましょう。

下記の該当していないか確認してみてください。

【加点項目】
・緊急事態措置による影響⇒緊急事態措置による自粛の影響で2019年、2020年と比較して30%以上売上が落ちていること(地域によって比較する時期は異なりますが概ね2021年1月~9月あたり)

・多店舗展開⇒複数の店舗や事務所で継続的に事業を行っていること

・賃金引上げプラン⇒従業員がいる場合は本事業で賃上げを計画すること。

理由4.経営計画書の記述不足

補助事業の審査において最も重要な経営計画書ですが、この内容が上手く審査員に伝わらず不採択になっている可能性もあります。

最低限必要な項目が書けている事が前提となりますが、初めての申請の場合、どんなことを書けば良いのかわからないこともあると思います。

不採択になってしまった申請書の特徴

私が今まで見てきた不採択の申請書の特徴は下記の5つのタイプが多かったです。

特徴1.全体的に文字数が少ない

経営計画書は5ページ以内となっています。これはもちろん極論1ページでも構いません。
が、ページ数が少ない場合、やはり説明が足りていない場合が多いので、内容が審査員に伝わっていない可能性が高いです。

審査員はあなたの会社の事業や業界を知らないことが多いです。むしろ何も知らない人に読んでもらうものだと思ってください。

今こんな事業をやって、コロナでこんな風に困っていて、補助金を使ってこんなことをやりたいんだよ、ということを審査員に訴えかけるイメージです。
やはりきちんと書くと5ページは必要になりますので、面倒かもしれませんが国の税金を使うわけですから、しっかり想いを込めて書きましょう。

特徴2.手書きで読みにくい

普段の事業でパソコンを使わない方は、パソコンが苦手な方もいらっしゃると思います。また、プリンターがないという方もいらっしゃいます。
そういった方は経営計画書を印刷したものに手書きで書かれていることが多いと思います。手書きの経営計画書も多くはありませんが見かけます。もちろん手書きがだめだと言うことではありません。

しかし、多くの手書きの経営計画書は、非常に読みづらいものが多いです。手で書くのは結構大変ですから、途中で疲れてしまいますし、字も乱雑になってくるかと思います。

審査員は一日に何件もの経営計画書に目を通しますので、例えば字が汚かったり、癖が強くて読み取るのが困難な計画書は、きちんと読んでもらえず加点が低くなるかもしれません。

手書きの計画書が採択されている場合も、あります。手書きの経営計画書がたまたま不採択になってしまったのかもしれませんが、できるだけ不採択のリスクは減らしたいところです。
パソコンが得意な方が身近にいらっしゃったら清書をお願いした方がいいかもしれません。

特徴3.書くべき内容が抜けている。

経営計画書は各項目、書いて欲しい内容が決まっています。
でも中にはその内容が少しズレてしまっている計画書も見受けられます。
例えばスケジュールがかけていなかったり、効果を書くところにやりたい内容が書いてあったり・・・
やはり書くべき内容が抜けてしまうと、何をしたいのか伝わりませんし、本当にこの補助事業がやれるのか判断が難しくなります。

特徴4.写真や図表が全くない。

経営計画書の中は、文字だけでなく画像や図表を入れても大丈夫です。というよりは入れた方がイメージがわきやすいです。

例えば、自社の事業内容を説明するところに商品の写真を入れたり、お店の写真を入れたりするだけでどんな事業をやっているのか分かりやすくなります。

また、市場調査をした場合は、図表を入れるとパッと見ただけでわかりますし、作りたいHPのイメージ画像を入れると、どんなwebサイトを作りたいのかもわかります。

もちろん文字だけの説明でも採択されている場合もありますが、適度に画像や図表を使うと読みやすくなると思います。

実際にはこのような経営計画書でも採択されているものもあります。あくまで傾向です。内容が大事なのは言うまでもありません。

また、あからさまに申請代行業者の書いたとわかるものは不採択になりやすいかというと決してそんなことはありません。なぜなら、ほとんどがそのような専門家に支援してもらっている事業者が多いからです。
審査員は経営者が書いているか、専門家が書いているかは見ればそのクオリティで大体わかります。
でもだからといって不採択になるわけではありません。

経営者の方がしっかり補助事業への想いをもって、計画をして実行しようとしている計画書であれば、誰が書いても伝わるものです。
逆に言うと、経営者の想いが伝わらない、お金がもらえればいいと思われるような、業者丸投げの計画書は採用されづらいと思っていいと思います。

【取るべき行動】次の募集に申請しましょう

不採択になっても次の申請に応募できないわけではありません。
できる限りの対策をして再度申し込むことは可能です。

同じ審査員が審査することはほとんどないと思いますし、もしかしたら次は採択されるかも知れません。しかし、ただ同じように申請するのではなく以下の対策をしてみると良いと思います。

対策その1.締め切りよりだいぶ早めに申請する。

書類の不備があった場合、早く申請すると「プレ審査」をしてもらえます。
どういうことかというと、余裕をもって申請した事業者には、申請要件及び書類不備の有無を確認し、結果をメールにて通知してもらえます。
第6回は2月15日(火)までに申請すると「プレ審査」をしてもらえますよ。

対策その2.経営計画書をブラッシュアップする

経営計画書を見直して、わかりにくいところはないか、説明不足はないか、などもう一度見直してみましょう。
どんなところを見直せば良いかわからない場合は下記の点が書けているか確認してみてください。

・必要な項目はかけているか
・図や画像を使って見やすくなっているか
・調査はしかっり行っているか
・どんな事が課題で、何をやりたいのか具体的に書いてあるか

調査は3C分析がオススメです。
3C分析とは、「自社」「競合」「市場」について分析する事です。

でもそんなに難しいことを書く必要はありません。
自分のやっている事業の説明は出来ているか?競合他社を調べているか?今の事業、やりたい事業について市場の動向を調べているか?(これはミクロの視点でOKです)

この3つについてしっかり書けばいいだけです。

補助事業についてはただやりたい事を書いてもダメで、自社の経営資源(人、モノ)を使って出来る事なのか、スケジュールは計画しているか、必要な経費は具体的に書いてあるか、などを見直してみましょう。
審査員が見て、この事業者はこの補助事業を行える実行力と計画性があるのかを判断出来ればOKです。

一度書いたものを、全く事業を知らない人に見てもらうのも良いかもしれません。
中学生でもわかる内容で書かれていることがベストです。
専門用語などは注釈などあると分かりやすくて親切です。

対策その3.加点項目がないか確認する。

開業したばかりでは加点項目がないので仕方ないかも知れませんが、もし上述した加点項目が該当しそうであればもれなく申請しましょう。
加点が多いほど採択率はUPします。

対策その4.一般型にも申請してみる

小規模事業者持続化補助金は<一般型>というのもあります。

こちらは通年募集しているものになります。
補助金額は最大で50万円と少なくなりますが、要件が少し違ってどちらかというと開業したばかりでも使いやすく申請しやすい補助金になります。

併用は出来ませんので、もし低リスク型ビジネス枠で採択されたら、一般型を辞退もしくは廃止の申請をすれば良いので、同時に申し込んでおくのも一つの手です。(申請の仕方が若干異なりますので注意してください)

まとめ

不採択になってもあきらめず、次の補助金の申請に向けて準備して見てください。
しかし、採択されるための対策はできる限り行いましょう。

 

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