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サービスデザイン思考でモノやサービスを考える

サービスデザイン思考って聞いたことありますか?

日系クロステックの記事によると、

サービスデザイン思考とは、サービスの利用者がサービスの利用を通じて得られる利便性などの効果や、利用前後の心理・感情の変化まで含めた体験全体を最良にすることを目指してサービスを設計する手法や考え方です。

と説明されています。

今日はこの事について簡単に説明したいと思います。

モノとサービスは別物?

私たちは「モノ」と「サービス」について分けて捉えがちですが、「モノ」というのは「サービス」を提供するための媒体であると考えます。

つまり、「モノ」は「サービス」に含まれるわけですね。

有名な言葉で、「顧客は1/4インチのドリルが欲しいわけではなく、1/4インチのネジ穴が欲しいのだ」というのがあります。このように、サービスデザインとは顧客の経験をデザインすることだと言えます。

モノを売るときは、お客様がそれを使ったら何が良くなるのか?モノを通じてどんな価値を提供出来るのか?までを考えなければいけないのです。

お客様は、モノ自体の価値を求めているのではなく、モノを使って得られる便益(ベネフィット)を求めているからなんですね。

顧客と価値を共創する

お客様の価値は、お客様が使った過程で生まれます。作る側はこのように使って欲しいと思っていても、お客様はそのように使っていないことも多いですよね。なぜかというと、自身の経験に基づいてそのモノの価値を捉えているからです。

たまにSNSなどで、本来の使用目的とはちょっと違う変わった使い方をしている女子高生とかいますよね?
そういったユーザーのことをエクストリームユーザーとも言いますが、そこから学べる事って多いと思います。

こういった事から、ものの価値は企業が作るのではなく、お客様と共に作り上げていくということが重要なんです。完成品は素晴らしい機能で決まるのではなく、お客様に使って頂いて、そこで新たな価値を生み出し完成品に近づいていきます。一緒に作り上げていく感覚です。
企業が作ったモノをお客様と共有する機会を作ることで、また新たな価値を生み出すともいえます。

モノに関わる登場人物(アクター)を考えてみよう

私たちはモノを売るときにお客様のことだけを考えることが多いと思います。でもモノを作る過程では様々な人が関わっています。この関わっている人たちのことをアクターと呼び、このアクターが価値を生み出してくれるんですね。

自社の商品を原材料から販売まで、どんな方々がかかわってくれているのかを考えてみましょう。過程にいる方々も考えることが大切です。

自社のリソースを考えてみよう

リソースとは資産や資源のことです。会社で言うと経営資源のことです。
経営資源って2通りありますよね。一つは帳簿に載る有形のもの。もうひとつは帳簿に載らない無形のもの。この有形の資源は、無形の資源があって初めて価値が生まれるのです。

みなさんの会社の「目に見える資源」を、「目に見えない資源」を使って、どんな価値を生み出せていますか?または、生み出せそうですか?

どんなサービスを生み出せる?

サービスとは、アクターが資源を使って、自分自身や他のアクターに便益を与える仕組みのことです。
どんな資源を使ってどんな便利なコトを提供できるか考えてみましょう。

皆さんは今、どんな資源(モノ)を使って、どんなサービス(コト)を提供していますか?
では頭の体操です。
この資源(モノ)を変えたら、どんなサービスが生まれそうですか?
もしかしたら同じ資源(モノ)を使って別のサービスが提供できるかもしれません。

どうしてこんな質問をしたかというと、時代は常に変わっていくからです。今求められていることは、10年後も同じとは限りません。未来を見ながら時代に合わせてサービスを設計する必要がありますよね。何かに依存すると自分たちのサービスも依存します。

例えばウーバーは、元々は個人の輸送サービスでした。使っている資源(モノ)は「車」です。
「車」という資源と、「運転技術」という資源を組み合わせることで新しいサービスが生まれました。

大切なのは、新たなサービスを生み出すために、今何が必要とされているのか?を考えてみることです。例えば、「人」の移動を「食べ物」に変えたらどうか?そんな風に仕組みをデザインしてみましょう。

価値は提供するものではなく提案するもの

モノを提供する側は、価値を提供していると思いがちですが、実は単なる「提案」に過ぎません。
「こんな風に使ってみてね」といって、お客様に提案しているのです。その提案を受け入れるかどうかはお客様次第なのです。提案をうけたお客様がそれに対してポジティブな感情をもったら成功です。

どんな提案をしたら受け入れてくれるのでしょうか?いかに魅力的な提案が出来るかをしっかり考えていきましょう。

同じ価値を提案しても、お客様のもつ生活背景で価値が変わる

モノを提供する側が、全く同じ価値を提案したとしても、お客様の生活背景が違うと、全く違う使い方をする事があります。それは、お客様の生活様式、ルールなどが違うからなんですね。

お客様は提案されたモノを自分の生活シーンに合わせて価値を感じます

例えば熊野筆。習字用の筆を作っていました。提供している価値は筆の品質の良さ。持ち手の良さ等です。

でも今では化粧用の筆として大人気ですよね。どうでしょう?提案した価値は同じです。でも女性は化粧品の筆に同じ価値を求めていたと言うことですね。

わざわざ違う商品を作らなくても、提案の仕方でイノベーションは起こるのかもしれませんね。

なんとなくイメージできましたでしょうか?大切なのは、商品は作って終わりではなく、お客様と共に作り上げて完成させる、ということです。

お役に立てられれば幸いです。

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